ヒタ・ヒベイロ『テクノマクンバ』|RITA RIBEIRO『TECNOMACUMBA』(BF-675)_LNTBR_
ヒタ・ヒベイロ『テクノマクンバ』|RITA RIBEIRO『TECNOMACUMBA』(BF-675)_LNTBR_
ヒタ・ヒベイロ『テクノマクンバ』|RITA RIBEIRO『TECNOMACUMBA』(BF-675)_LNTBR_
¥2,530
◇ マラニャゥン州の出身。同郷のゼカ・バレイロの後押しで97年にファースト・アルバムを発表して以来、歌手としてのポテンシャルを十分に発揮しながらも、アルバムの作りは詰めが甘い……、といった今までの不満を一気に吹き飛ばす、明快なコンセプトを打ち出した新作。タイトルに揚げたマクンバとカンドンブレを軸に、アフリカ起源の神や信仰がモチーフの曲を幅広く取り上げている。伝承曲やカイミ作品からジョルジ・ベン、カエターノ、ジル、そしてジェロニモの名曲まで、テーマ性とテクノロジーを駆使した現代的なサウンド・プロダクションを通じてブラジル音楽史の重要な側面を束ね直した、そんな手応えがある。サウンドの主張が強いが、腹の底から天空に突き上げる力を備えた歌声を生かすには、このぐらい歌と音が拮抗しているほうが効果的だ。こういうアルバムを、リオやバイーアではなく北東部出身のヒタが作ったところにも価値がある。[月刊ラティーナ07年02月号掲載 中原仁]