◆レーベル：FONOCAL
◇タンゴ・ギタリストの新星ウーゴ・リバスの新録音が登場！ゲストにバンドネオンの巨星たち、フェデリコ⑥⑦、ガレーロ⑧⑨、パネ⑩⑪、バッファ⑫も入り、彼の実力を増殖させている。演奏のソロ技巧もさながら、タンゴ性に満ちた自作曲にも注目！

●曲目
①ボニータ
②クラシコ・ワルツ
③パルケリアーノ
④ロマンティコ
⑤エル・ポルテニート
⑥ファンタシア・ノクトゥルナ
⑦ウン・フエジェ・エン・パリス
⑧我がギターへのセレナータ
⑨ラロ
⑩アドルフォに捧ぐタンゴ
⑪歩道のタンゴ
⑫ラ・マレバ
⑬アレグレ・ディヒタシオン
⑭カルロス・ラサルテに捧ぐ
⑮我が息子

●演奏：ウーゴ・リバス（g）、ディエゴ・クイッコ（g）、アルベルト・ベセーラ（g）、フェリペ・トライネ（guitarron）、マヌエル・ゴメス（cb）、オスバルド・リバス（g）
●ゲスト：パブロ・アグリ（vn②）、エルネスト・バッファ（b⑫）、レオポルド・フェデリコ（bn⑥⑦）、ラウル・ガレーロ（bn⑧⑨）、フリオ・パネ（bn⑩⑪）、ルイス・サリーナス（g③④⑤）◇　タンゴ・ギターの正統的な伝統を現代化して引き継いで、まだ39歳ながら突出した境地に達したウーゴ・リバスの新録音。まさに驚天動地の素晴らしい内容だ。今回は、ギター・コンフントでの演奏はワルツ2曲（シリアコ・オルティス作①、パブロ・アグリを迎えた②）に絞っており、リバスのソリストとしての存在感をゲストとのデュオを通じて浮かびあがらせる趣向が中心と聴いた。ジャンル不問の超絶テク・ギタリスト、ルイス・サリナスとの③④⑤も発火しまくっていて凄いが、なんといってもアルバムの中核はバンドネオンの巨星たち、フェデリコ⑥⑦、ガレーロ⑧⑨、パネ⑩⑪、バッファ⑫とのデュオ（⑥は拡大編成）だろう。⑫は古典曲だが、他は巨匠達とリバスが作曲した音楽性高い自作品で、それぞれが唯一無二の個性に溢れるバンドネオンとタンゴ性に満ちて艶やかな音色のギターの対話は、ともかく聴いていて心が熱くなる。

（鈴木一哉）

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