◇クラシック畑で経験を積んだベテラン女性歌手。テアトロ・コロンでの出演や映画「エビータ」にも出演経験もある。ノルベルト・ボヘルbn/p)やセサル・アンジェレリgt)他、優れた演奏陣にサポートされ、古典からピアソラまで多彩な曲目を歌う。

1 Como Dos Extraños 3:17
2 Chiquilín De Bachin 4:30
3 Naranjo En Flor 4:03
4 Milonga Sentimental 2:39
5 Cuando Tu No Estás 4:29
6 Pequeña 3:29
7 Fuimos 5:17
8 La Casita De Mis Viejos 4:06
9 Silbando 3:40
10 Los Pájaros Perdidos 4:21
11 Caserón De Tejas 4:13
12 Ya Me Canse De Vos 2:34

　女性歌手によるタンゴ名曲集だが、他のアルバムと大きく違う点がある。それは一部がイディッシュ語で歌われていることだ。アルゼンチンは世界的にみてもユダヤ系人口の多い国。タンゴ界にもヴァイオリニストを中心に多数のユダヤ系ミュージシャンがいる。しかしユダヤの言語であるイディッシュ語でタンゴを歌う人はほとんどいなかったといってよい。ソイラはクラシックからスタートし、ユダヤの歌を専門としてきて、これまでに5枚のCDを出しているというが、タンゴ集は初めてのはずだ。歌はややクラシカルな唱法でタンゴ色が薄いのが若干残念な気もするが、伴奏はノルベルト・ボヘルのバンドネオンを中心にした本格的なもの。ブルーノ・リネツキーのクラリネットがクレツマーっぽいサウンドを加味している。アルゼンチンのユダヤ人コミュニティを描いた公開中の映画『僕と未来とブエノスアイレス』に興味を持った人にもお勧め。（西村秀人　月刊ラティーナ2006年2月号掲載）

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