クリバス『ラス・コサス』|CRIBAS『LAS COSAS』(MUSAS-7009)_TFAR_
クリバス『ラス・コサス』|CRIBAS『LAS COSAS』(MUSAS-7009)_TFAR_
クリバス『ラス・コサス』|CRIBAS『LAS COSAS』(MUSAS-7009)_TFAR_
¥2,530
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◆録音年:2017年◆録音場所:ブエノスアイレス◆レーベル:ラティーナ
◇デビュー作が日本で大きく注目を集めたアルゼンチンはラ・プラタで結成されたクリバス。歌心と有機的器楽サウンドをさらに深化させた傑作2ndがついに発売。<2017年12月20日発売。帯・解説付属輸入盤。>
◇曲目
①El agua clara
②Mamele
③Toto
④La lluvia
⑤Niño
⑥Ella
⑦La sombra
⑧Rueda
⑨La tarde
⑩Solita
⑪La linda
⑫Si quisieras
⑬Bienvenida
⑭El viento
Cribas
Juan Fermín Ferraris - piano y voz
Nicolás Padín - guitarra y coros
Federico Aguirre - acordeón y coros
Mariano Ferrari - contrabajo y coros
Joaquín Mendy - batería, percusión y coros
月刊ラティーナ2018年1月号にインタビュー掲載。
同1月号にて高橋健太郎、栗本斉、高見一樹、濱瀬元彦によるクロスレビュー掲載。
◇ フアン・フェルミン・フェラリスの繊細でどこか危うい歌声の魅力はそのままに、メンバーが一新されて音の質感が大きく変化した。とりわけ、フェデリコ・アギーレが弾くアコーディオンの音色が通奏低音のように響くのが特徴的で、全体的にオルタナティヴ・ロックにも通じる焦燥感や不安感などの感情を掻き立てる。アルゼンチンのフォルクローレというと、アコースティックでオーガニックというイメージが強い。しかし、彼らはその範疇を軽々と飛び越え、新世紀ジャズやミナス一派を横目で見ながら新しいステージに立とうとしている。
(月刊ラティーナ2018年1月号掲載 文:栗本 斉)
「作曲と編曲は我々を取り囲んだ鏡なんです。」と語るリーダーの言葉には、この音楽の出自と行方が現れていると思うのだが、クリバスの音楽の生成を作曲と編曲という二つの過程に分けた上でそれが彼らを取り囲む鏡だと感じる彼の意識には、切ない決意のようなものを感じる。ピアソラがパリで「あなたの音楽はタンゴ」と告げられた時、本当は少々悲しい気分ではなかったかと、彼の言葉をクリバスの新しい音楽を聴きながら反芻してしてしまうのだ。彼らの、伝統という表皮を剥ぐような切り詰められたミニマルな表現は、彼らを鏡の囲いから連れ出す呪文のように聞こえる。
(月刊ラティーナ2018年1月号掲載 文:高見一樹)
前作に続き非常に素晴らしい作品です。モノ・フォンタナなどアルゼンチンの既存の業績は念頭にありますが、現在のミナス音楽の影響はないですね。聞いて楽しんではいるでしょうが、オリジナリティを強く目指しており明確に避けられています。ただ、ほぼ全部フェルマータのような非常に遅いテンポの曲で構成され、それが類例のない音楽を体現してはいるのですが、前作で示した淡くリズムを活かした軽さ=心地よさが見事だっただけにそんな要素を少し入れてくれればもっと凄い作品になったと思います。
(月刊ラティーナ2018年1月号掲載 文:濱瀬元彦)
◇デビュー作が日本で大きく注目を集めたアルゼンチンはラ・プラタで結成されたクリバス。歌心と有機的器楽サウンドをさらに深化させた傑作2ndがついに発売。<2017年12月20日発売。帯・解説付属輸入盤。>
◇曲目
①El agua clara
②Mamele
③Toto
④La lluvia
⑤Niño
⑥Ella
⑦La sombra
⑧Rueda
⑨La tarde
⑩Solita
⑪La linda
⑫Si quisieras
⑬Bienvenida
⑭El viento
Cribas
Juan Fermín Ferraris - piano y voz
Nicolás Padín - guitarra y coros
Federico Aguirre - acordeón y coros
Mariano Ferrari - contrabajo y coros
Joaquín Mendy - batería, percusión y coros
月刊ラティーナ2018年1月号にインタビュー掲載。
同1月号にて高橋健太郎、栗本斉、高見一樹、濱瀬元彦によるクロスレビュー掲載。
◇ フアン・フェルミン・フェラリスの繊細でどこか危うい歌声の魅力はそのままに、メンバーが一新されて音の質感が大きく変化した。とりわけ、フェデリコ・アギーレが弾くアコーディオンの音色が通奏低音のように響くのが特徴的で、全体的にオルタナティヴ・ロックにも通じる焦燥感や不安感などの感情を掻き立てる。アルゼンチンのフォルクローレというと、アコースティックでオーガニックというイメージが強い。しかし、彼らはその範疇を軽々と飛び越え、新世紀ジャズやミナス一派を横目で見ながら新しいステージに立とうとしている。
(月刊ラティーナ2018年1月号掲載 文:栗本 斉)
「作曲と編曲は我々を取り囲んだ鏡なんです。」と語るリーダーの言葉には、この音楽の出自と行方が現れていると思うのだが、クリバスの音楽の生成を作曲と編曲という二つの過程に分けた上でそれが彼らを取り囲む鏡だと感じる彼の意識には、切ない決意のようなものを感じる。ピアソラがパリで「あなたの音楽はタンゴ」と告げられた時、本当は少々悲しい気分ではなかったかと、彼の言葉をクリバスの新しい音楽を聴きながら反芻してしてしまうのだ。彼らの、伝統という表皮を剥ぐような切り詰められたミニマルな表現は、彼らを鏡の囲いから連れ出す呪文のように聞こえる。
(月刊ラティーナ2018年1月号掲載 文:高見一樹)
前作に続き非常に素晴らしい作品です。モノ・フォンタナなどアルゼンチンの既存の業績は念頭にありますが、現在のミナス音楽の影響はないですね。聞いて楽しんではいるでしょうが、オリジナリティを強く目指しており明確に避けられています。ただ、ほぼ全部フェルマータのような非常に遅いテンポの曲で構成され、それが類例のない音楽を体現してはいるのですが、前作で示した淡くリズムを活かした軽さ=心地よさが見事だっただけにそんな要素を少し入れてくれればもっと凄い作品になったと思います。
(月刊ラティーナ2018年1月号掲載 文:濱瀬元彦)