ラ・フアン・ダリエンソ『電撃のリズム』|La Juan D'Arienzo『Cortando Clavos』(MUSAS-7001)_TTAR_
ラ・フアン・ダリエンソ『電撃のリズム』|La Juan D'Arienzo『Cortando Clavos』(MUSAS-7001)_TTAR_
ラ・フアン・ダリエンソ『電撃のリズム』|La Juan D'Arienzo『Cortando Clavos』(MUSAS-7001)_TTAR_
¥2,546
◆国内盤(MUSASレーベル)
◇曲目
①これが王様(Este es el Rey)
②フェリシア(Felicia)
③もう一度あなたに会いたい(Quiero Verte Una Vez Mas)
④心の底から(Desde el Alma)
⑤レメンブランサ/追想(Remembranza)
⑥最後の盃(La Ultima Copa)
⑦エル・タマンゴ(El Tamango)
⑧ガジョ・シエゴ(Gallo Ciego)
⑨忍耐/パジエンシア(Paciencia)
⑩カンソネータ(Canzoneta)
⑪ラ・プニャラーダ(La Pu_alada)
⑫ラ・クンパルシーダ(La Cumparsita)
⑬永遠の桜(Sakura Eterna)
◇スタッカートを極度に強調した独自のスタイルでタンゴ黄金時代を通じて最高の大衆的人気を維持したフアン・ダリエンソ楽団。その最後期を支えたバンドネオン奏者カルロス・ラサリは、ダリエンソの死後、そのスタイルを継承して活動を続け、ダリエンソ・ファンが特に多かった日本には何度も来日公演をおこなった。そのライヴ盤を聴いて彼にバンドネオンの弟子入りを志願したのが孫のファクンド・ラサリである。2006年のことだった。祖父が死去した09年までには、バンドネオンの腕は楽団メンバーに加われるレヴェルに達していた。そして、12年にはファクンドが正式に楽団を引き継ぎ、若いメンバー中心で“ラ・フアン・ダリエンソ”として楽団を再編する。鉄板のダリエンソ・スタイルに若い感性を注入した演奏は、ブエノスアイレスのミロンガでも熱狂的に迎えられ、ヨーロッパ公演でも好評を博したという。そして、遂に本年1〜3月に第46回民音タンゴ・シリーズでの日本ツアーが決定した。
来日記念盤となる本作は、発売されたばかりだったファースト・アルバムを改めて完璧に録音、ミックス、マスタリングし直して、ダリエンソ・スタイルを意識したファクンドの自作⑬を追加した形のもの。ダリエンソ賛歌①を冒頭に据えて、本家ダリエンソ楽団の録音が定番である②⑪⑫あたりは当然の選曲だが、それぞれトロイロ、プグリエーセによる名演の印象が強い古典タンゴ⑦⑧を敢えて取り上げたところが面白い。全体として、ダリエンソ・スタイルの要となるピアノ(パブロ・バジェ)がしっかりスタイルの特徴をとらえており、祖父の演奏の重厚感とはまた違った若い爽快感が新鮮に感じられる。また、③⑤⑥⑨⑩と5曲を歌うフェルナンド・ロダスの強く感情に訴えかけ圧力が漲る歌唱はダリエンソ・スタイルにぴったりで高く評価される。さらに、本盤はダンス用にも好適な音源となるのではないか。来日公演への期待が高まる。
月刊ラティーナ2015年2月掲載(鈴木一哉)
◇曲目
①これが王様(Este es el Rey)
②フェリシア(Felicia)
③もう一度あなたに会いたい(Quiero Verte Una Vez Mas)
④心の底から(Desde el Alma)
⑤レメンブランサ/追想(Remembranza)
⑥最後の盃(La Ultima Copa)
⑦エル・タマンゴ(El Tamango)
⑧ガジョ・シエゴ(Gallo Ciego)
⑨忍耐/パジエンシア(Paciencia)
⑩カンソネータ(Canzoneta)
⑪ラ・プニャラーダ(La Pu_alada)
⑫ラ・クンパルシーダ(La Cumparsita)
⑬永遠の桜(Sakura Eterna)
◇スタッカートを極度に強調した独自のスタイルでタンゴ黄金時代を通じて最高の大衆的人気を維持したフアン・ダリエンソ楽団。その最後期を支えたバンドネオン奏者カルロス・ラサリは、ダリエンソの死後、そのスタイルを継承して活動を続け、ダリエンソ・ファンが特に多かった日本には何度も来日公演をおこなった。そのライヴ盤を聴いて彼にバンドネオンの弟子入りを志願したのが孫のファクンド・ラサリである。2006年のことだった。祖父が死去した09年までには、バンドネオンの腕は楽団メンバーに加われるレヴェルに達していた。そして、12年にはファクンドが正式に楽団を引き継ぎ、若いメンバー中心で“ラ・フアン・ダリエンソ”として楽団を再編する。鉄板のダリエンソ・スタイルに若い感性を注入した演奏は、ブエノスアイレスのミロンガでも熱狂的に迎えられ、ヨーロッパ公演でも好評を博したという。そして、遂に本年1〜3月に第46回民音タンゴ・シリーズでの日本ツアーが決定した。
来日記念盤となる本作は、発売されたばかりだったファースト・アルバムを改めて完璧に録音、ミックス、マスタリングし直して、ダリエンソ・スタイルを意識したファクンドの自作⑬を追加した形のもの。ダリエンソ賛歌①を冒頭に据えて、本家ダリエンソ楽団の録音が定番である②⑪⑫あたりは当然の選曲だが、それぞれトロイロ、プグリエーセによる名演の印象が強い古典タンゴ⑦⑧を敢えて取り上げたところが面白い。全体として、ダリエンソ・スタイルの要となるピアノ(パブロ・バジェ)がしっかりスタイルの特徴をとらえており、祖父の演奏の重厚感とはまた違った若い爽快感が新鮮に感じられる。また、③⑤⑥⑨⑩と5曲を歌うフェルナンド・ロダスの強く感情に訴えかけ圧力が漲る歌唱はダリエンソ・スタイルにぴったりで高く評価される。さらに、本盤はダンス用にも好適な音源となるのではないか。来日公演への期待が高まる。
月刊ラティーナ2015年2月掲載(鈴木一哉)